社会福祉法人ヒューマンライツ福祉協会
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気になる民意の測り方

 まもなく衆議院選挙の投票日です。安倍首相率いる自公政権の存続の是非が争点でしょう。現段階で投票結果がどうなるかはわかりませんが、選挙区で1人だけが当選する小選挙区制の導入以降、選挙のたびに気になることがあるのです。それは、多数決制は民主主義を体現するシステムとしてふさわしいのかということです。いまさらこんなことを言っても詮無いのかもしれませんが、気になるのです。

 ポイントは票の割れです。仮に、A~Dの4人が立候補する選挙に10人が投票するケースで、A4票、B3票、C2票、D1票を集めたとします。多数決制では、4票を集めたAが当選するのですが、別の視点からみると、Aを選ばなかった人が半数以上(6人)いるわけで、その意味ではAは、有権者の多数の支持を集めていないことになるのです。民主主義は市民主権を基礎に、市民の多数意見により政治や行政をすすめていくことですが、多数決制にはこの票の割れ問題を放置する欠陥があるのです。そこで、問題解決に手っ取り早いのは、決選投票付き多数決制の導入です。1位の票数が過半数に届かない場合に、1位2位で決選投票を行う方式です。フランス大統領選挙や日本でも自民党や民進党などの党首選挙ではこの方式が採用されています。また、慶應大学の坂井豊貴さんは、配点方式により多数意見を集約するボルダルールが最善の方式だと言っておられます。つまり、自分が最もふさわしいと思った人に最高点の4点をつけ、以下順次3点、2点、1点とすべての候補者に異なる評価点をつける方法で、獲得合計点がトップの人が当選者となります。これなら票の割れは起こりません。選び方次第で結果が変わり、歴史が変わることもあります。手間暇はかかりますが、テクノロジーを駆使するなどしてボルダルールによる選挙が実現できれば、民主主義は大きく進歩・深化すること間違いなしです。

 今の多数決にせよ、決選投票付きにせよ、ボルダルールにせよ、すべて、有権者が選挙に行かないとコトは始まりません。つまり市民の政治参加が基本なので必ず投票に行くことが重要です。ちなみに、今の多数決制では白票投票は、当選者や有力候補を結果として利する行為になるので注意が必要です。仮に白票が多かったとしても選挙結果は変わらず、批判票といった政治的メッセージも脆弱です。気持ちはわかりますが、それは単なる無効票として扱われ、結果として1票の価値を下げてしまうのです。白票投票は単なる自己満足との酷評すらあり、消去法含め、誰かに決める投票行動がとても大切です。
 ちなみに、衆院選の後に行われる首班指名選挙は、決選投票付き多数決制です。各党の代表がそれぞれ立候補するかどうかはわかりませんが、仮に、3名以上の立候補があり、1位が過半数をとれなかった場合、1位2位の決選投票となります。この時、自公の政権枠組みが変わるかもしれません。来る総選挙、投票は2回あり、政党名を書く比例区選挙も大切です。悔いなき1票を投じたいと思います。